「あれ、さくらは?」


次の担当者と交代した私は、さくらと合流するためにさくらがいるポイントへと向かう。

けれどそこにいたのはクラスメイトの女子だけで、さくらの姿はなかった。


「え、知らないよ。私が来たらもういなかったの」


クラスメイトの困惑した台詞に、私の中に違和感が生まれる。

勝手に持ち場を離れるなんて、普段ならそんな無責任な行動を取る子じゃないのに。


「ありがとう、ちょっと探してみる」


もしかしたら行き違いになったのかも。

そう思って来た道を戻ってみたけれど、やはりその姿はどこにもない。


【今どこにいるの?】


メッセージを送っても、一向に既読にならない。

電話も繋がらない。


嫌な予感が膨らみ始め、にわかに焦燥感が募る。


手当たり次第に探し回って最後に教室に行ってみたけれど、やっぱり見つからなかった。