「あい子、さくら!おはよー」
―――高校に入学して1ヶ月。
朝、あい子と連れ立って教室に入り、先に登校していた結衣ちゃんと花菜ちゃんと挨拶を交わす。
彼女たちとは自然と行動をともにするようになり、私たちは一緒に過ごすようになった。
休み時間にはくだらないことで笑い合ったり。
お昼には一緒にお弁当を食べたり。
たまに、放課後には寄り道して遊んだり。
最初の不安はなんだったんだろう、というくらい私は自然と高校生活に溶け込んでいた。
「輝、部活行こーぜ!」
放課後になると、橋本くんが高瀬くんを誘いにやってくる。
彼らは中学と同じくサッカー部に入ったようで毎日、朝練や放課後の部活動に忙しそうな生活を送っていた。
「さくらちゃん、バイバーイ!」
橋本くんは決まって楽しそうに私に手を振りながらグラウンドに向かう。
相変わらず私は、それを曖昧な笑顔でやり過ごす。
そうやって私の毎日は過ぎていった。