(こんなに想われて逝けるのならば何も怖くない……)


「ラーメルト……っ!私を、私を置いて行かないでッ!!」


これだけ準備をしてきたのだ。
思っていたよりも死ぬ事は怖くはない……。
ただこんなにもフィオナを悲しませていると思うと軋む体以上に胸が痛くて堪らない。


「な、か…………ない、で」

「ラーメルト!喋ったら駄目だ……今、何とかするからッ」

「……ゴホッ、」

「どうしよう……!どうすればいいの!?」


口端から血が流れていく。
必死に小さな手を伸ばして縋る姿が、只々愛おしいと感じた。

(一緒に、過ごせて良かった……)


「私にはラーメルトしか居ないのに……!!ラーメルトッ!置いていかないで」

「ふぃ……お、な……」

「嫌だッ!私を置いて行かないでよ……うわぁあぁあぁ」


最後の力を振り絞ってフィオナの涙を指で拭った。
出会った時よりも成長した彼女の姿を目に焼き付けていた。
このままフィオナとは少し離れてしまうけれど、また会えると信じたい。

(限界、かな……)

涙をを拭った瞬間、手の力が抜けていく。


「あ、い……してる」

「ラーメルトーーッ!!嫌あぁぁ」


そして今日、運命には抗えずに僕は死んだのだった。