「柊、どう?綺麗かな?」


控えめな笑みを浮かべながら沙羅は俺にそう問うてきた。

清楚なAラインのウエディングドレスを身に纏い、少し染めただけの艶のある長い髪をまとめ上げた沙羅の姿はそれはまばゆい位に美しく、俺は間髪を入れずに


「うん、とびきり綺麗だよ」
と答えた。


父さんと母さんもそれぞれに涙ぐみながら娘の晴れ姿を褒めていて、このゲストハウスの花嫁の支度部屋は俺の心の中とは裏腹に温かな雰囲気に包まれている。



俺はうまく笑えているのか?