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「セイくん。……いま起きてる?」



真冬の寒さが厳しく空気の乾燥が増す、2月中旬。
場所は、物音1つしないほど静寂に包まれている保健室。



今日は彼と恋人になってから3回目。
今は養護教諭が保健室を出て行ったばかり。
チャンス到来だ。



紗南はセイが隣のベッドにいるだけでも、仕切られてるカーテンが揺れ動きそうなほど胸がドキドキしている。



リスクを背負ってまで保健室に出向かないと、多忙な彼に会えない。
これが自分達の厳しい現状。

だから、養護教諭が不在時を狙ってカーテン越しにいる彼に呼びかけた。



「んー、何?」



眠りから覚めたばかりのようなボーっとした返事が届くと、紗南は嬉しさのあまり口元が緩んだ。