最近は感情制御という鎧を身に纏った自分が、本当に幸せなのかと疑問に思う。

きっと、芸能人じゃなければここまで不憫じゃなかったはず。
一般人として充実した日々を送れていただろう。







日々積み重なっていく課題によって、徐々にセイの精神状態が追い詰められていく。
今回の件もあって、紗南を1人で日本に置いて行くのは不安が残る。

我慢ばかり強いられているセイは、不透明な未来に頭を抱えた。






出発日が迫る中、荷物の準備は整いつつあるが、心の準備はなかなか整わない。
幸せ絶頂期を迎えて留学を決意したあの頃には無かった、気持ちの錯乱。

こんなに中途半端な気持ちのままアメリカに出発していいものか、正直迷いが生じていた。