セイは紗南からのSNSメッセージを時間差で受け取ると、何もせぬまま静かに画面を眺めていた。



大事な話は文字で返す気はない。
日程の件は顔を見て伝えようと思っているけど、それ以前に仕事が忙しくて会えるかどうかわからない現状。

忙しい事を理由に手間を省いて返事をするのであれば、彼女の表情を見ないままになってしまう。





過去に意思疎通が図れず破局した事もある。

だけど、紗南との恋は慎重に進めていきたいから、小さな事ですれ違いたくないと思っていた。




デビュー以降、海外ツアーを度々こなしているせいか、アメリカは然程遠い場所ではないと考えているセイ。

セイは丸2年間全く会えないと思い込んでいる紗南との考え方に、若干温度差が生じている。