「福嶋さんがセイに会いに来てるのは気付いてたけど、セイは福嶋さんとは昔からの友達だって言ってたっけ。お互い気があったのかしら⋯⋯。この様子からすると関係は上手くいったようね」



養護教諭は事情を知っていただけに、今回の件は2人の交際を確信付けた。



入学当初からセイの体調を気遣っている養護教諭は、セイが学校と職場の往復が続いて息苦しい毎日を送っている事を熟知している。

だから、幸せそうに寄り添っている2人をそっとしておく事にした。



「本来なら校則で男女交際禁止なんだけど、特別に目を瞑ってあげる。きっと秘密で交際をしてるだろうから、誰か1人くらい味方が居てあげないとね」



養護教諭は足音を立てずにベッドから離れ、壁掛け時計で時間を確認。



「あと5分後経ったらセイの電話でも鳴らして起こすか。添い寝現場を目撃した事がバレてないフリでもしてあげないとね〜」



養護教諭は仲睦まじくベッドに眠る2人を保健室に残し、再び席を外した。







まるでハーモニーを奏でるかのように寝息を漏らした2人は、とても平和で幸せに満ち溢れている。