なんとか2階のフロアに上がり、彼の教室の1組を目掛けた。
教室に到着するなり躊躇いもなく前扉を開ける。



ガラッ……



まず最初に目に飛び込んできたのは、教師と生徒達の驚いた表情。
授業中に乱入したのだから当然罪は重い。



「君は何処のクラスの生徒?知らない顔だけど」



20台後半の男性教師は眉をひそめて警戒心を露わにする。



「あの……私……」



しどろもどろな返事。
でも、目だけは彼の姿を探していた。

すると、2秒も経たぬ間に彼を発見。
彼の視線が私の感覚を敏感にさせたのかもしれない。



久々に彼の姿を視界に捉えるなり、胸がきゅうっと締め付けられた。