このまま校舎から追放されてしまうのかな⋯。

まだ紗南に会えていないのに。

学校に来るのは今日が最後なのに、たった一度きりのチャンスがいま手の中からすり抜けようとしている。





こんな筈じゃなかった。
あいつに恋人らしい事は何一つしてあげれなかったけど、これからは時間をかけて幸せにしていくつもりだった。

今日も明日も明後日も、一生心に残るような幸せ言葉で包んであげたかった。



それなのに、どうして思い通りにならないんだろう。
このまま心がすれ違った状態でお互い別々の道を歩んでいかなければならないのだろうか…。









ーーいや、このままでは終われない。



俺に与えられたラストチャンス。
無駄にはしないし、したくない。

俺達の恋が世間に受け入れて貰えなくても、お互いの心が通じ合っていればきっと乗り越えられるはず。

だから、言いたい事だけ言わせて欲しい。



心の葛藤を続けているセイは、不安な気持ちと耐え凌ごうとする気持ちの狭間で苦しんでいた。