歯止めが利かないセイは、苛立たせた気持ちを吐き散らしながらジュンの手を振り払った。



「……っざけんな!お前もお前だ。俺が紗南をどれだけ大事に思ってるのかわかってんのに、冴木さんの計画に軽々と加担してんじゃねぇよ」

「少し冷静になれ。冴木さんはお前の将来に賭けてるんだ。気持ちをわかってやれよ」


「はぁ?だからって、第三者の紗南を巻き込むのは間違ってるだろ。俺の未来を決めるのは冴木さんじゃない。俺自身だ」

「セイっ!」



セイは別人のような荒口調になり、ジュンに不機嫌な背中を向けた。

セイの背中は悲しみの渦に巻き込まれている。





ジュンは冴木とセイの想いに両挟みされて、収集がつかない事態に頭を抱えた。