「話し合おう。すれ違ったまま終わりにしたくない」

「話はもう終わったの。アメリカに行っても元気でね」



感情のこもってない言葉がサラリと届けられるが、セイを直視出来ぬまま手を振り切ろうとして腕を大きく左右させる。




辛くて仕方ない。



昨日も今日も。
そして明日も明後日も⋯⋯。
これから先もずっとセイくんの事が好きなのに、自分からお別れの言葉を口にしなきゃいけないなんて。

でも、どんなに気持ちが揺れ動いても、彼の未来の為にまず私が変わらなければならない。



セイは納得がいくまで、紗南の腕を離すつもりはない。



朝のHR開始まで残り5分程度。
だが、セイにとって今はそれ以上に大事な時間。