「セイくんとは1日でも多く恋愛を楽しみたかった。どんなに小さな事でもいいから連絡し合いたかった。『おはよう』『おやすみ』それに、『会いたい』とか『声が聞きたい』とか。忙しくて会えない分、些細なことでもいいからコミュニケーションを図って、恋をしている実感を湧かせたかった」

「想いに気付いてやれなくて悪かった。これからは、改善策を考えていくから。……だから」


「改善策?明日からアメリカに行くのにどうやって?それに、セイくんはもう立派な社会人だけど、私は来年受験生になる。これから社会に出る準備を始めなきゃいけないんだよ」

「ごめん……。俺、自分の事で頭がいっぱいだったから、お前の考えまで追いつけなかった」


「いま会えたから良かったけど、もし出発まで会えなかったらどうするつもりだったの?」

「杉田先生に頼んで、滞在先が書いてあるメモを渡してもらうつもりだった」


「甘いよ……。うちの学校は男女交際禁止なんだよ。もし2人の交際が学校にバレたら、ここに取り残される私はどうしたらいいの?」



まるで別人のような攻撃的な自分に正直驚いた。

その副作用が襲ってきたせいか、傷付ける言葉を口にする度に頭がガンガン痛んでくる。