「私っっ……。セイくんに絶対心配なんてさせない。この先も……、ずっと…ずっと……」



全身の血が沸騰しそうなくらい興奮したけど、思い切って恥じらいを捨てた。
そしたら、自分でもビックリするくらい大胆に。



男性に想いを伝えたのは今日が初めて。
彼の恋人としてスタートさせたあの日は、ここまで気持ちをはっきりさせなかった。

だから、尋常じゃないほど恥ずかしい。


激しくリズムを刻むハートビートはまるで天地を彷徨うボールのよう。





ようやく掴んだ6年越しの恋。
この先一度たりとも後悔したくない。



ベッドに横たわるセイは、片耳にイヤホンを挿したままキョトンとした目を向けた。



「……それ、マジで言ってんの?」



緊張に包まれた紗南の身体は頼りなく震える。



まだ付き合いたてなのに、いきなり重たかったかな。
迷惑だったかな。
呆れてないかな。
変な女だって思われてないかな。



今まで恋愛には無縁だったし、人生初彼氏がいきなり全国規模のトップアイドル。


あまりにも極端な境遇から恋愛をスタートさせたから、恋の進め方がわからないよ……。



紗南は自分に自信が持てない分、セイの反応が怖く感じた。