まるで、シャッターで閉ざされてしまったかのように、急に目の前が真っ暗になった。




私……。
どうして冴木さんにここまで言われなきゃいけないのかな。

恋をした相手は今も昔もたった1人。
小学1年生の頃からの幼馴染の皆川 一星くんだけなのに。



その皆川くんが歌手として活躍していた事をつい最近まで知らなかったのに、冴木さんは新しい情報ばかりを上乗せしてくる。

きっと、私達の過去を知らないから、現在(いま)のセイくんの話ばかりをするんだ。
留学前に私達を引き離したいから、意地悪ばかり⋯⋯。




でも……。

本当に酷いよ。





紗南は気持ちが崖っぷちまで追い詰められて精神的にボロボロだった。
冴木と顔を合わせてから一方的に責められていたせいか、この先耐えていく自信を失っていた。

しかし、劣勢であっても冴木の言いなりにはなりたくない。
そう思った理由は、まだセイの口から今の心境を聞けてないから。