金曜日が訪れるまでが長かったのか短かったのかはよくかわからない。

文化祭の振り替え休日が終わり水曜日から始まった学校に岬さんは来なかった。

夜に岬さんからメッセージが届いた。

そこには、今週いっぱい休むけど心配しないでほしいと書かれてあった。

学校が終わり、ちひろの家に行くと夕食の支度をした。

夜になるとちひろ達に食事を出して理斗君の部屋に行った。

「理斗君、ごはん持ってきたよ」
「あぁ」

ドアが開き、いつものようにテーブルの上に食事を置く。

今日も理斗君は参考書を開いていた。

「あっ中間考査…」
「赤点取るなよ」
「は、はい…」

顔を合わせてふっと笑うと部屋を出た。

お互い、瑞樹のことは口にしなかった。

廊下に出ると瑞樹の部屋に目を向けた。

もしもまだ瑞樹がいれば今頃はベッドの上。

ベッドの上で眠る瑞樹の姿が浮かんだ。