親には、連日保健室でサボったことなど、絶対に秘密だ。

別に、厳しいとかうるさいからではない。

両親…特に母親は、交通事故の時も、そして自殺未遂の時も、僕のほうが心配になるほど慟哭していた上に、食事も喉を通らなくなり、一気に痩せこけてしまった。

父親は父親で、

「俺が、自分の叶えられなかった夢を、お前に押し付けたりしなければ…」

と、何度も自分を責めていた。

だから、これ以上は心配をかけたくない、それだけのことだ。

そうは言っても、やはりどうしても、あの教室には行く気になれないが…。

3日連続ともなれば、今度こそ他の生徒同様に追い返されるかと思ったが、松本先生は、もう体調を尋ねることすらせずに入れてくれた。有難い。

いつものベッドに座り、またエイラがこっちへ来るのを待ってみたが、5分経っても現れないので、横たわって待ってみた。