ケヴィンには、自慢の兄がいた。
いつも笑顔で、面倒見も良くて、誰からも好かれている。

ケヴィンもそんなエヴァンが大好きだった。
けれど、周囲はエヴァンとケヴィンを勝手に比較する。

急にエヴァンが憎らしくなり、エヴァンを避けるようになった。
それに気づいたに父であるフェリクスがケヴィンを諭すように言った。


「ケヴィン、エヴァンはね‥とても重たいものを背負っているんだよ」

「重たいもの‥?」

「そうだよ、だからエヴァンは必死に努力して周りの期待に応えようとしている」

「‥‥?」

「とても疲れてしまうから、ケヴィンが助けてあげてね」


初めはフェリクスの言葉の意味が良く理解出来なかった。
ケヴィンのモヤモヤした気持ちは膨らむばかりで収まってはくれない。


けれど、エヴァンが抱える"重たいもの"の正体が分かった時、ケヴィンは胸が苦しくなった。


「流石です、エヴァン様」
「エヴァン様は王太子なのですから」
「素晴らしいです、このまま頑張りましょう」
「エヴァン様はとても頭が良いですね」


エヴァンはケヴィンよりも、もっとずっと苦しくて辛いのかもしれない‥


(俺がエヴァン兄を助けてあげなきゃ‥!)