「ねぇ、ちょっと君達……!」


聞き覚えのある声に呼び止められて、アリスとスフレは顔を顰めながら振り返る。


「……うわぁ」

「悪魔よ……!」


スフレの初恋を木っ端微塵に踏み潰した張本人。
ユーリンとの恋路を邪魔していた天敵。
この国の第二王子であるデリックが人当たりの良さそうな笑みを浮かべて近付いてくる。

天敵であるデリックが果たして何をしに来たのか……アリスは眉間に皺を寄せながら、スフレはガンを飛ばしながら此方を警戒していた。


「何をしに来たんですの?」

「まさか、またアリス様の邪魔を……?」

「そんな酷いことをする訳ないじゃないか」

「「…………はあ?」」


今、アリスはというと順調にユーリンとの関係を進めていた。
リオノーラが動いた為、デリックは何も手出しが出来なくなった。

ユーリンも最近はアリスにしっかりと向き合って自分の気持ちを伝えている。
ユーリンとアリスが婚約出来る日も近いだろう。

そしてスフレはアリスとリオノーラの力を借りながら、淑女としてのマナーと常識を身に付けた。
王城に、リーベとして別人のようなスフレが舞い戻って来た時は流石に驚いた。

それがアリスと共に自分を見返す(ぶっ潰す)為だというから、二重に驚いたのだった。