思えば、初めからシンシアに好意を寄せていたのかもしれない。


「きゃっ……!!」


シンシアはリオノーラの周囲を泳ぐ自分にビックリしていた。
クリッとしたシンシアの瞳と目が合う。
此方を見て優しく微笑んだシンシアに不思議な気持ちを抱いたのを良く覚えている。


「ふふ、シンシア……驚いた?」

「お、驚きますっ!!」

「メメって言うのよ」

「メメ様……」


心が澄んでいて、真っ直ぐで、愛情深い。
そして、どこか儚くて……そんな人間を水の精霊は好むのだ。
シンシアの周りを跳ね回る。


「どうやらメメちゃんはシンシアが好きみたいね」

「そうなのですか?」


シンシアはにっこりと嬉しそうにしていた。


「メーアに貰ったの」

「メーア……?」

「私の精霊、メーアって名前よ」

「あぁ、なるほど!綺麗な名前ですね」


自分の主人に対しても好意的で、姫に一番信頼されている人間。
そんなシンシアのことが気になって仕方なかった。