ーーー三年後

トリニティは十二歳になったが、婚約者が一向に出来ないことに流石に焦りを感じ始めていた。
(こんなに可愛いのに……なんで?)
しかしトリニティになってからのセカンドライフは、それはもう最高であった。
マナーやダンス、貴族として必要な事はサラリと学んでしまい、今は特別メニューとして国の事や諸外国の事を学んでいる最中である。
そして特段トリニティが優秀だという家庭教師の口車に乗せられるがまま、十歳の時から王城に通いながら質のいい教育を受けている。
前世の知識があるということは、それだけでチート並の能力……難なく全ての課題をクリアしていった。
こんな時にこそ、仕事人間だった自分の経験が役に立つというものだ。
前に積み上げていた努力が無駄にならなかったのは嬉しい限りである。

それにこの世界で変わった事があるとすれば、エルナンデス王国の歴史を学んでいる際に必ず出てくるのは天使と悪魔の話だ。
そこは女神とか魔王じゃないのか、とガッカリしたものだが、ある一定のレベルまで達すると悪魔は魔族に、天使は女神に昇進出来るのだそうだ。

昇進……そこに強烈な親近感を感じる時点で脳内が仕事に毒されているのだろう。