「そ、そろそろ予鈴鳴るし、みんな待ってるかもしれないから、教室行こ」


そう言われ、時計を見ると確かに言う通りになっていたが、正直離れるのが惜しかった。


「亞梦。こっち」


歩き出そうとした亞梦を手招きして、腕を引っ張り膝に座らせる。


「わっ!え、ど、どうしたの…?」


急に抱きしめられて慌ててるのかもしれない。でも…あと少しだけ。


「…チャイム鳴ったら離すから。もう少しだけ」


そう言ったあと、こくっと亞梦は首を縦に振った。すると、亞梦はすぐ柔らかく笑った。


「それ、前にも翔太に言われたなぁって思って」


俺といるときに他の奴のこと想像すんな……そう思うと少し、いや、だいぶムカつく。


あとで、翔太には言っておかなきゃな…。


だけど、俺自身も亞梦の温もりや存在に安心している。


俺の正体を昨日知った上で聞かないでくれる。そして普段通りでいてくれる。


それが俺にとって、どれだけ嬉しいことか。