だるい体育の終わり。更衣室で着替えながら宏太たちと喋っていた。


「そういえば、どうだった?」


宏太がそう聞くと、拓真が思い出したように「あぁ」と言った。


「うん。相変わらずなんともないっていうか、普段通り元気だったよ」


そうは言ってもな……。別に拓真の言うことを信じていない訳じゃないけど、あいつ知らない間に溜め込むからな…。


「それにしても、亞梦って本当いい子だよね」


「どうしたんだよ。急に」


拓真が他人を褒めるのは珍しい。でも急すぎたため俺以外の奴も驚いている。


「どうしたんだよ。急に」


「ん〜?別に。いい子すぎて…騙されてないか心配なだけ」


拓真は基本、いつも笑ってるけど観察眼はいい方、翔太と同じくらい。


普段のは、恐らく作った表面上の笑顔、という感じだな。


「なぁ、亞梦に話しかけてた奴、誰だ?」


「あー…確かあれって、飯村穂花だよ」


翔太が答えた。さすが女の情報には抜かりがない。