その日から更に一年が経った。

 アンドリュー兄上には六人目の子供が産まれた。なんと、初めての男の子だった!
 義姉上はホッと胸を撫で下ろしていたけど、僕は第一王女のスザンナあたりが女王になる姿を見たかったなと思う。

 そのスザンナは今や、悪役令嬢エステルの大ファンだ。まだまだ子供のくせに厚化粧をして、高笑いをしながら王城内を闊歩している。

 スザンナの将来が楽しみだよ、ある意味。


 さあ、今日は僕とエステルの結婚式だ。
ウェディングドレスに身を包んだエステルと対面するため、僕に背中を向けて控室に座って待っているエステルを呼んだ。


「エステル、そろそろ時間だ。教会に向かおう」


 照れと緊張で声も出ないのか、エステルはガチガチのまま無言で僕の腕を取った。あっ……つねらないで、そこ、二の腕の裏はちょっとお肌が弱いんだってば。