「期末テストの答案返すぞ~」

期末テストから数日後。

鈴木先生の言葉に教室が騒がしくなった。

出席番号順に名前を呼ばれて、自分の答案用紙を取りに行く。

「夏川、やっと平均点取れたな。おめでとう」

先生が笑顔でそう言って夏川くんに答案用紙を渡した。

「マジッすか? やった~」

夏川くんが渡された答案用紙を見て嬉しそうに言うと、

「平均点おめでとう~」

「良かったね~」

そんな言葉と共に拍手が起きた。

「おう。サンキュー」

そう言って笑顔でピースサインを作る夏川くん。

今度はあちこちで笑い声が聞こえて、クラスの雰囲気が一気に和やかになった。

放課後。と言っても、終業式まであと数日で今日は答案返却だけだからまだお昼。

冬休みを直前に控えて、教室を出て行く生徒達はみんなどことなく浮足立っている。

もうすぐクリスマスだし、彼氏彼女がいる子達は特に嬉しそうだ。

咲姫も日生くんとデートするって言ってたっけ。

そういえばふたりがつきあい始めたのって去年のクリスマス・イブなんだ。

あれからもう1年が経つなんて、なんか信じられない。

「美原!」

ひとりで感傷に浸っていたら、突然至近距離で名前を呼ばれて。

慌てて顔を上げると目の前に夏川くんが立っていた。

いつの間にか教室には私と夏川くんのふたりだけになっていた。

「夏川くん?」