俺は決めた。もう潮時だ。

 コレットに直接謝って、俺がコレットのことを好きだってことを伝えよう。気持ち悪いと言われるかもしれないが、俺の気持ちを伝えないことには、何ひとつ説明できないからだ。

 今、俺がもっともやるべきこと。
 それは、コレットから未来への不安を取り除いてやることだ。アランもマティアスもジョージも、もちろん俺も、コレットの味方だ。コレットに起こるかもしれない悲劇を止めるために、今みんなで協力して動いている。だから、不安に思わないでいい。そう伝えてあげることだ。

 それを伝えるために、まずは俺がなぜコレットのために動いているのかを説明すべきだ。原動力は、愛なのだ。ごちゃごちゃ言ってるが、とにかくコレットに好きだって言いたいだけなのだ!

 実はずっと、コレットとイチャイチャしたかった。

 手をつないでこっそり街を歩きたい
 ドーナツを一緒に食べたい
 甘い言葉をかけて、コレットを赤面させたい
 それに、俺のひざに乗せて、後ろからギューッとしたい

 そりゃ今は嫌われているから、甘い言葉なんてかけたら赤くなるどころか青くなるかもしれない。膝になんてのせようものなら、悲鳴を上げて逃げられるかも。

 俺がコレットに嫌われているのは、全部俺のこれまでの行動が原因だということは重々分かっている。長年積み重ねたものが、すぐに好転するとは思っていない。時間をかけてゆっくりと、少しずつコレットに心を開いてもらえるように努力しよう。

 しかしその前に、アランたちにはきちんとした説明が必要だろう。ヒロインを俺たち四つのルートの中のどれかに引き入れようと、みんなで協力してきた。王太子という立場と権力を振りかざして、好きでもない相手と濃密な時間を過ごすことを強いている今、俺一人だけが何も言わずに抜けてしまうのは皆に示しがつかない。

 全員を招集して腹を割って話そう! 攻略対象たちの円卓会議だ!