「……二人が結婚することとなった!!」


 国王陛下のお言葉が、レオ様のお誕生日パーティーの会場に響きます。湧き上がる歓声と拍手。

 今日は断罪杯じゃなかったでしたっけ……? 私、スタジアム間違えました?

 もしかしてレオ様は私と形だけの結婚をしながら、側妃も置くということなの? それはちょっと想定外です。断罪されて国外追放、修道院コースで人生計画立てていたし。

 歓声の中、レオ様が私の方を振り返ってこちらに歩いて来ます。えっ……ちょっと待って、そのキラキラ満面の笑顔、何?


「コレット」
「あの……どういうことなのでしょうか?」
「どういうことって?」
「いえ、ですからレオ様は私を……断罪するのでは?」


 ……なぜ怪訝な顔をしているのです? あなたが側妃を迎えたんですよね? その証拠に、あそこにいるじゃないですか、側妃のチョメ令嬢が! あ・そ・こ・に!!


「……コレット……詳しくは後でちゃんと聞くから、とりあえず今は俺の手を取って前に来てくれる?」
「はい……」


 会場いっぱいの拍手に包まれ、私はレオ様に手を引かれて陛下の前に出ます。みんな笑顔で祝福の声をかけてくれるのだけど、私だけ笑えないのよ……ごめんなさいね。

 歓声が止むのを待って、陛下がもう一度口を開きます。


「もう一つ、皆に発表したいことがある。実は我が妃が懐妊しておる。真夏が過ぎた頃に、第二子が産まれる予定だ!」


 いったん静かになった会場が、再び完成と拍手に包まれます。王妃様がご懐妊……? それってまさか……。