病院を退院し、淳之介さんのマンションへ帰ってきて1週間。
登生の出生が明らかになり、父親が誰なのかもはっきりした。
両親ともに亡くなっていたことは悲しいことだったけれど、愛し合った両親のもとに望まれて生まれてきたことと、大切に思ってくださるおばあちゃんがいることがわかり、私はうれしかった。

「りこちゃん。きょうはメグちゃんのおうちにおとまりするからね」
「うん、いい子にしているのよ」
「はーい、いってきます」

2日間も会えなくなるのに、元気いっぱいに保育園へと出ていく登生。
どちらかと言うと寂しいのは私の方で、エレベータに乗り込むまで手を振り続けてしまった。

これからの登生の身の振り方について考えなさいと言われて、まだ結論が出ないまま今日にいたる。
日本にいる間、週末は預かるわ。と言ってくださったお母様に甘えて、今日から2日ほどお母様に登生を預けることにした。
登生自身も楽しみにしているみたいだし、お母様に懐いているから問題ないと思うけれど、やはり少し寂しい。
それでも、登生にとって誰のもとで育つのが幸せなのか、ちゃんと考えないといけないと思っている。