「おーいお前ら、もう体育は終わりだ。ボール片付けろ」


「え~、ねぇ算数やめてサッカーの続きしようよせんせー!」


「なら明日、算数2時間つづきになっても文句ナシだからな」


「やーーだーー!!」



俺の教育は間違えてないはずだ。


やれ3年2組の桐谷先生は子供たちに厳しすぎるだの、雑すぎるだの、乱暴すぎるだの、どうにも保護者から苦情が来てるらしいけど。


子供の意見を聞かずに大人が勝手に憶測してるだけだろ、そんなのは。

今だって俺のクラスの生徒は和気あいあいと、先生と生徒という異様な上下関係に怯えることなく伸び伸びと過ごしてる。



「ほんっと大人っていいよな!オレたちは時間に縛られてる!!」


「そーだそーだっ!ずりぃ!」



そう言って俺の背中に飛び乗ってきたのは、このクラスでガキ大将的な立ち位置のやかましい1人。

その周りを男子も女子も関係なく囲ってくる。

これだって生徒との立派なコミュニケーションのひとつだ。



「そうでもねぇよ。おれだってずっと縛られてた」


「えー、先生もー?」



時間に縛られてる、なんて。
いつそんな難しい言い回しを覚えたんだと。

こうしてフラットに関わることが俺の教育方針でもあった。