この日は嫌な予感がした。

うまく説明できないけれど、とにかく嫌な予感が。


5日は更新されていないメール、電話もピタリと止んでしまって、せめて私からは“おはよう”と“おやすみ”だけを1日の唯一として送る。


外は雨ではないけれど、私の心がどしゃ降りだったことで視界は晴れてはくれない。

秋風がよりいっそう冷たくなった10月の終わり。



「あっ、ちょうどよかったわ!ななせちゃん!ななせちゃんのお友達から電話!」


「…え、」



胸騒ぎがして、居ても立ってもいられずに院内のロビーを行ったり来たり。

それは前のように突然電話がきた場合、もし彼が泣いていたらすぐに駆けつける準備は万端だったから。


幸いにも今日はお父さんもお母さんも病院には来ない日。


そんな私の元へ、受付カウンターに必ず置かれている固定電話の受話器を手にして急ぎ足で駆け寄ってきたのは、受付の看護師さんだった。



「ほらほら!なんか急いでるみたいよ…!」


「誰から…?」


「えーっと、とりあえず友達って言ってたわ…!」



出れば分かるじゃない!と、看護師さんに押されぎみにも受話器を耳に当てた。