散々悩んだが、それでも家族に迎え入れるという決断はできなかったらしい。

 シロフクロウに恋しげな声で鳴き続けるレディ・エルを伴って、コルモロンは来た時よりも十歳は老け込んだ様子で帰っていった。

 酸いも甘いも噛み分けた紳士の意外な一面に、シュエットはついまじまじと観察してしまった。

 シロフクロウを焚き付ければ、もしかしたら購入に踏み切ってくれたかもしれない。

 それでも、真剣に悩むコルモロンを見れば、フクロウに対する愛情の深さが分かるというもの。

 時間はかかるかもしれないが、納得した上でレディ・エルとシロフクロウの恋を応援してもらえたら良いとシュエットは願った。