ドレスに、靴に、宝飾品。

 お姫様になるために必要なものたち。

 きれいなものが、きれいな箱に詰まっている。

「なんて、すてきなの」

 それらを見て、シュエットの深い青の目がキラキラと光った。

 まるで、夜の海に映る月の光みたいだ。ゆらゆら揺れて、楽しそう。幻想的で、つい見入ってしまいそうになる。

 ひとまず用意したドレスは気に入ってもらえたらしいと、エリオットはホッと胸を撫で下ろした。

「これを、私に? でも、どうして?」

 二人を少し離れたところから見守っていたピピは、はじめて幼女姿で現れた時のように、偉そうに言い放った。

「最後の試練じゃ。明日はこれを着て、エリオットと舞踏会へ行ってもらう」

「最後の……舞踏会?」