「どうしよう……ねぇ、どう思う? ラパス」

 じきに就寝時間だというのに、試練はまだ保留のまま。

 考え込む主人を前に、ラパスは素知らぬ顔で羽繕いを始めた。

「つめたい子ねぇ」

 唇を尖らせて睨むシュエットに、ラパスはチラリと視線を送るが、それも一瞬のことで、すぐにどうでも良さそうにそっぽを向いてしまった。

 いつものことではあるが、今日ばかりは恨めしく思ってしまう。

(主人のピンチなのよ? 少しくらい、親身になっても良くない?)

 ラパスは、シュエットがエリオットにキスされれば良いと思っているようだ。

 当のエリオットはと言えば、バスルームで入浴中である。

 シュエットが入ったあとにエリオットが入って、そのままバスルームの掃除までこなしている。美人な上に家事まで完璧。なんとできた嫁だろう。