ペルッシュ横丁にあるミリーレデルのフクロウ百貨店は、今日も今日とて閑古鳥が鳴いている。フクロウ百貨店なのに。

「……なんて、笑えない」

 黄昏時の空をカウンターから眺めて、シュエットは物憂げなため息を吐いた。

 窓の外を、家路に就く人々が忙しなく歩いていく。ミリーレデルのフクロウ百貨店なんて、目にも留めずに。

 壁のフクロウ時計を見れば、まもなく時刻は十七時。あと数分で閉店時間である。

「みんな、ごめんなさい。今日も、家族を見つけてあげられなかったわね」

 シュエットの申し訳なさそうな声に、店内にいたフクロウたちが口々に「ホゥホゥ」と答えてくれる。「気にしないで」と言っているように。