「カフェオレしかないんですけど……」

 テーブルごしにエリオットと対面するように腰掛けたシュエットに、エリオットがボソボソと「ありがとう」とカフェオレの礼を告げる。

 やや俯いた角度から上目遣いでシュエットを見てくる彼は、彼女に捨てられたら終わりだと思っている、哀れな捨て犬のように見えた。

(見た目と中身にギャップがある人なのかしら……?)

 もっと自信を持って堂々としていれば良いのに。

 高貴そうな見た目をしているのに、態度がおどおどしているせいで台無しになっている。

 勿体ないと思っているシュエットの前で、エリオットは背を丸めてカフェオレに息を吹きかけていた。猫舌らしい。