その後、こまごまとした手続きをこなしていったが、養子縁組というのはすぐにどうこうできるわけでないことを知らされた。

産みの親の同意だとか、6ヶ月間以上の監護が必要とか、養親は25才以上でなければ、とか、何より片親ではダメだということ。

早生まれの私はまだ24だが、貴一は25なので、そこはクリア。

それにしても、片親ではダメだったんだ…。

「ほら、だから最初に入籍しておいて正解だったろ?」

ドヤ顔で貴一は言う。



貴一は、家とは反対方向へ車を走らせるので、

「ねえ、何処行くの?」

「ベビー用品店と、ジュエリーショップ」

「ふふ、なんか面白い組み合わせよね」

「ごめん、明菜。婚約指輪がないままの結婚なんてさ…。たぶん女の子にとって、そういうのは大事だろうに…」