「……ごめんなさい」



4人。



私とカヤ、真綾さんと月くんという形でテーブルを囲んでいた。



1番最初に口を開いたと思えば、カヤの口から出てきたのは謝罪の言葉。



テーブルに額がくっつくくらい、深く頭を下げる。



固い表情で、唇を引き結んだカヤ。



今まで見たことがないくらい、おどおどしているカヤ。



それもそうだよね……。



何年も会っていなかった、しかも何も言わずに家を出て置いていった家族に数年ぶりに会うんだもん。



私だったらきっと、気まずさとどうしよもなさで一言もしゃべれない。



カヤは、それ以上何も言わずに頭を下げ続けている。



カヤ……。



無言でカヤを見つめる真綾さんは、口を固く引き結んでいた。



「……俺、自分のことしか考えてなかったし、自分の未来のために母さんや月のことなんて考えられてなかった」



カヤ、嘘ついてる。



みんなのためを考えて出ていったくせに。



なんでこんな嘘、つくの……?



「だから許してくださいとは言わない。でも、」



「___カヤ」



「っ、」



頭を下げたまま早口で話し続けるカヤに、真綾さんが名前を呼んだ。



まるで、さっきの私にかけた言葉のように優しかった。