「降りて」



そう言われて、降りた先は、あまり綺麗とは言えない古びたお家。



木造の二階建てで、数十年前に建てられたみたい。



「ここは……?」



少し古びた表札に目をやると___……。



《神楽》



もしかしてこの家って……。



そう思って月くんに目をやる。



ヘルメットを外して、目の前の家を見上げると、月くんが少し困ったように呟いた。



「……実家」