「はぁっ、はぁっ……カヤ……」


どこを探してもカヤはいなくて。


まさか本当に出て行っちゃったんじゃないか。


そんな思いがぐるぐると頭の中をまわる中、たどり着いたのは、よく行くコンビニだった。


雨に濡れて荒い呼吸を繰り返す。


アイスを買いに行った、あのコンビニ。


そしてーーーーー。


やっとたどり着いた……。 


「カヤーーーーー」


見慣れたシルエットが、コンビニの前にあった。


名前を呼びかけたけど、その横にも人影があるのに気づいてしまって。


ーーーーー息をのんだ。


「月、くん……?」


カヤの横には、月くんが立っていた。


雨が、少し強くなった気がしたーーーーー。