2人が歩く後ろ姿を見るのが好き。

何者も寄せ付けないオーラを纏って、まるでそこだけ違う世界みたいに美しくて。

唯くんと美琴は、さながらヒーローとヒロイン。

ヒーローはずっとヒロインのこと一途に想ってるのに、ヒロインは気付かないどころか全然違う人のところに行ってしまった。

16年もこんな素敵なヒーローの近くにいるのに、ヒロインは本当に見る目がないな。

そんな2人の間にスーパーモブ市民である私、羽根村 優花(はねむら ゆか)は飛び込んでいく。

ヒーローとヒロインが大好きだから。

2人が付き合ってないからってヒーローと付き合いたいとか、そんなおこがましいことは全く思ってない。

そもそも最高にかっこいい唯くんが私みたいなちんちくりんを好きになるなんてあり得ないでしょ?

だからこそ思い切り『大好き』って言える。

よく引っ付いてくるウザったい女として。










「唯くん!美琴!おっはよー!!!!」