『ジュリエラレッタが……亡くなった……』


 その報告が届いたのは今朝だった。
 婚約者が亡くなっただなんて言葉を耳にしても、信じられるわけがなかった。


『パリースと無理に婚約させられそうになり、絶望して自ら毒を飲んだんだ』


 以前から親しくしていた神父の言葉であるはずなのに、信じられない。

 だからこそロミオンは真相を確かめるべく、霊廟まで赴いたのだ。

 ロミオンはようやくジュリエラレッタの葬られているという棺の前に辿り着く。

 悲壮な顔で膝をつき、そこにいるはずの亜麻色の髪をした女を覗き込もうとする。
 その途端、ロミオンは大きく息を飲んだ。それは驚愕からきたものだった。



「……は? え、おま…………ミヨ子?」