仕入値の計算は普通にかけ算と足し算で出来るので、もらった紙に書いて筆算をし、合計額があっているか確かめるだけ。

 それだけでも、武器類から食品まで、30枚近くあり急いで計算していく。

 問題はその次。まずは、商会への手数料についてだ。

 まだ初期段でいきなり金額を跳ね上げてしまうと、びっくりするので、基本は1%から。

 これには利点もある。これくらいならという相手方の安心感もそうだが、計算がしやすいのだ。

 また、商品に関しては銀貨1枚、つまり千円以下のものには課税しない。

 そうすれば、露店商などにまで税を求めるようになった時でも安心だ。

 基本的に、露天でそんなに高い物といえば、アクセサリーくらいだろう。

 誰が見ても分かりやすいように、1%もらう時の表を作成する。

 次はギルドの表だ。冒険者ギルドでは依頼があった場合、手数料と紹介料として約30%取っているらしい。

 そのギルドが手にした手数料から1%、そして登録料にかかる手数料から約10%もらう。

 登録料はカードを発行するだけなのだが、これは冒険者ギルドがその人の身分を証明するという意味合いがある。

 なので、簡単には発行出来ないのだ。

 まず、登録料として銀板一枚かかり、身分証明書を提出するか、教会へ罪を犯していない証明書を作成してもらい提出するか、身分のはっきりした者2名の紹介状が必要となる。

 カードの審査にそこまでかけているので、反発は避けられないと思うが、その代案としてカードを持っている冒険者の身分を国も保証するという案をキースが出したと書かれている。

 ギルドとしても、国が保証するとなればその意味合いは大きい。

 また、引退した冒険者たちを再雇用するシステムもゆくゆくは作る予定となっていると書かれていた。