「ありがとう、ルカ。あとで、街へ買い物に行きたいのだけど付き合ってくれるかしら?」

「もちろんです」

 頼もしい仲間が増えるのはありがたい。何せ、この世界でのほぼ初めてのお買い物だものね。

「お買い物には、お金はどれくらい持っていけばいいかしら?」

「買うものにもよりますけど、ドレスなどでしたらそのまま支払いを侯爵家へ付けてもらう形になるので、それほど必要にはならないと思いますが」

「んー。それだと意味がないのよね。自分で買い物とかしたことないから、お金の使い方も価値もあまりよく分からなくて」

 お金の価値が分からないなんて、外で言ったらどれだけの恥なのだろうと思う。

 でも、今分からなければ困ることは、恥であっても聞かなければ進めないのだから、仕方ない。

 それに今までの私を知っているルカなら、あまり疑問にも思わないだろう。

「そういうことですね。金貨は普段使いには、使いづらいものですから、それ以下の硬貨を持っていくのがよろしいと思いますよ」

「一応確認したいんだけど、銅貨10枚で銅板1枚、銅板10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で銀板1枚、銀板10枚で金貨1枚の換算でよかったわよね?」

 使ったことはないから、価値がいまいち分からないものの、計算は学園で習ったことはあるからそれは分かる。

「はい、ソフィアお嬢様、それで合っていますよ。金板というのはないので、金貨100枚で白金貨1枚ですね。そこまで行くと、一生私たちが見ることはない物だと思いますけど」