「私たちはずっと同じだったから。私は瑞希が眩しくて、そして羨ましくて。だから見ないようにずっと避けて一人ぼっちを貫いてきた。でもそれは瑞希も同じで、お互いがないものをねだって羨ましがって、ずっと傷つけあってきたんだね」

「……」

「でもそうだとしても、もう私たちは同じじゃない。あの合わせ鏡のような双子という呪縛から抜け出したのに、なんでこんなことをしたの?」

「この世界で記憶が戻った時、自分一人が異質な存在な気がしてとてもとても怖かった。でもすぐにソフィアが瑞葉だって分かった。だから縋りたかった。一人じゃないって。それなのに、ソフィアの記憶は戻ることなくて……。戻らないのに、まるで全部分かっているように、瑞葉と同じようにわたしを避けた」

「別に避けてなんて」

「いつだってそう。いつも見て欲しいのに、あなたはわたしを見てもくれない。だけど……。怒っている時は、いつもちゃんとわたしを見てくれた。たとえ記憶が戻らなくたって、わたしは姉さまが見てさえくれれば、安心が出来たの」

「もっとこんな方法じゃない方法だって、あったはずでしょう。ミアとしてせっかくこの世界で1つの幸せを、ミアだけの人を見つけることが出来たというのに」