「どうして笑っているんだい、ソフィア」

「いえ。ただ国王様が羨ましくて。こんなにも自分のことを思ってくれる弟がいるなんて、なんて誇らしいことだろうかと」

「すまない、ソフィアは」

「いいんです。どこでボタンをかけ間違えてしまったのか、いつからなのか……。もう分かり合える日が来るとは思えないほど、私とあの子の仲はこじれてしまったんです」


 そう仲の良かった日々が思い出せないくらいに。


「分かり合えなくたって、いつか思い合える日が来るさ。ソフィアもミアも、まだ取り返しのつかないところまでは行っていないと思うんだ」

「まだ……まだ大丈夫ですかね……」

「ああ。少なくとも、俺もグレンもそう思っている。だけど、だからといってミアがしてきたこと全てが許されるとは思ってないさ」


 キースは先ほどのプレゼントの包み紙を私に見せる。


「よく考えれば、あの時あの時間にソフィアがギルドにいることは分かっていたはずなんだ。それなのに、ミアに姉のためのプレゼントをと言われ、ソフィアの好きなものを教えてもらおうと考えた俺がダメだったんだ。全てこれは俺の落ち度だ。君を傷つけてしまった。すまない、ソフィア」

「! 辞めてください。王族であるあたなが、そんなことで軽々しく頭を下げるなど」

「軽々しくはないさ。君を傷つけた。それは俺にとって、何よりも代えがたいことだ」