キースが自分を好きだと、そしてずっと共に居てくれるという都合のいい夢を見た。
でも本当は、キースは夢でなくてもずっと言ってくれていたことだ。
ただ私が信じなかっただけ。
なぜ自分なんかと、どこか言い訳を付けて。
誰かの唯一の愛情が欲しかったのに、なぜ戸惑う必要があったのだろう。
ミアの言う通り、誰かの愛情を手に入れることを諦めていたのは自分自身ではないか。
ソフィアになって、それは実感していたことだ。
父との仲も、母との仲もその関係性を修正できたのだから。
だからミアとの妹との関係も、心のどこかでいつかと修正出来ると思っていた。
瑞葉と瑞希は無理だったけれど、ソフィアとミアならば。
「ソフィア? 気がついたか」
「キース様?」
ぼーっとする意識が急浮上する。
ベッドに横たわる体に、心配そうに駆け寄るキース。
ここは侯爵家ではない。