あの店の位置は、冒険者ギルドの斜め向かい。

 もしミア嬢がソフィアの行動を把握していたのなら、全ては彼女の計画通りだったのか。

 あの日、ソフィアはギルドの中にいた。

 出てきてすぐに、店の前の馬車を見つけただろう。

 そうして店に近づけば、中にいる俺たちのことを見ることになる。


「ミアと二人で買い物に出かけたのですね、キース」

「お前に断りなくミア嬢と行ったことは謝るよ」


 じとりと睨むグレンに頭を下げる。


「二人の仲が悪いとは事前に告げていたはずですが」

「聞いてはいたが、まさかそんなに酷いとは思わなかったんだ。その上、こんなことを計画していたなんて」

「はぁ。もうそれは自業自得ですね。僕はいつか言いませんでしたか? ミアのソフィアを見る瞳が欲しいと」