「ああ、確かにそうだな」


 この前の普段着も、カフェで見た普段着も確かに高級ではあるだろうが、とても簡素なものだった。

 ミア嬢の言う通り、せめて髪飾りやペンダントくらいあってもいいくらいだ。

 グレンからは姉妹仲はあまり芳しくないと聞いていたのだが、姉のことをしっかり見ていて姉を思う姿はとてもそうは思えない。


「ちょうどこの前に仕事を付き合ってもらったお礼に、ソフィアに何か贈ろうと思っていたんだ」

「それは良い考えですわ。着飾らない姉でも、殿下からいただいたものならきっと、喜んで付けると思います。あ、でも……」

「ん? どうした」

「そのぅ、姉が慎ましいと先ほど言いましたが、あまり高い物を送ると恐縮して受け取るのを考えてしまうかもしれません」