「グレン、さっきのソフィアの話どう思う?」

「過去の話でしょう。おそらく、ソフィアになる以前の」

「お前の言う、前世というやつか」

「ええ、おそらく」

「どれだけお前の話を聞いてもずっと半信半疑だったんだけどな。でもソフィアの口から言われると、いよいよ現実なんだと思い知らされるよ」


 前世の記憶があるというのは、一体どんな感覚なのか想像も付かないが、その過去が悲しみに溢れていたことだけはよく分かった。

 それならば、今俺がソフィアにしてあげられることは何だろう。

 ソフィアがもう二度と、悲しみに泣き暮れないように出来ることは。


「それにしてもソフィアの言葉の中に何度か出てきた、同じというのは何だと思う?」

「先ほどから僕もそれを考えていたんですよ。これはまだ憶測でしかないのですが、双子という可能性はないですかね」

「そうか、同じ顔に同じ声。前世ではソフィアは双子だったということか。それなら確かに、先ほどの話の意味が通じるな」