「で、そんなもの、食べられるのですか?」

「さっき二人で冒険者ギルドに行って、食べられるか確かめてきたんだ。やはり一部は食べられるらしい。それ以外の物も、食べられるかどうか、今度協会に鑑定依頼を出すつもりだ」

「それはまた、すごい話ですね」

「ああ、ソフィアは本当にすごいよ。グレンの言っていた以上だ」


 惚気たように、一人うれしそうにソフィアの凄さを語っている。

 ソフィアを紹介した自分としては鼻が高いと同時に、友を取られたような少しもの悲しさがある。

 今まで、友と呼べる友は作ってはこなかった。

 自分と異なる点をたくさん持つキースのような興味を引く人間もいなかったし、また自分と同等に話せる人間もほとんどいなかったから。

 その点ソフィアは、唯一同じ目線で同じ会話のできる人間と言えるだろう。

 だからこそ次に王位継承を行い、この国の王になるキースにはソフィアのような女性が必要だと思った。

 それを取られたなど、そんな子どもじみた低俗な考えが自分にもあったことに驚く。

 驚いたと言えば、執務室の机の上の書類が思ったより片付いている。

 いつもなら、自分が抜けてしまえばこの倍くらいの書類は残っているはずなのだが。